Le Passage et La Place
2000@東京 スピカミュージアム
Le Passage et La Placeは、空間体験型のヴィデオインスタレーションである。映像を投影するスクリーンを操作対象としてイメージを空間的に配置できる構造とし、時間軸に沿ってイメージ分布を変化させた。
コンセプト
Le passage と La placeは、パリの骨格を形成する二つの要素である。それらは「通り」と「広場」という意味で、移動と滞留、線と面、あるいは男(Le)と女(La)などの対になるような関係を想起させる。展覧会会場となるスピカミュージアムは、シンプルな空間をガラス壁で外部通路と内部ギャラリーに隔てたもので、そうした二項関係を連想した。
これら2つの空間の境界を複数化・断片化・動態化する。それを多重輪郭と呼びたい。その揺れ動く曖昧さはそれ自身で独立した変容体であり、変化のチャンスが明滅する光景である。
スクリーン構成
ギャラリーと外部通路を仕切る大きなガラス壁を利用し、映像を投影するスクリーンを設置した。
スクリーンはバーコード状に分割し、三種類の素材で構成している。素材によって映像を反射(ステンレスミラー)、結像(ホワイトテープ)、透過(ガラス)させる効果がある。ギャラリー内には3台のプロジェクターを設置した。
映像配置
プロジェクターから投影された映像は、このスクリーンにより、一部は反射してギャラリー内部の壁面に、一部は透過して外部にあるアプローチの壁面に、もう一部は2つの空間の境界をなすガラス壁面上にそれぞれ像を結ぶ。
映像はスクリーンの素材に合わせて編集してあるため、空間的に個別のイメージが投影される。