本草湯
ヴィソンの中核を担う温浴施設
2021@三重県多気町
本草湯が「ASIA PACIFIC PROPERTY AWARDS」の「LEISURE ARCHITECTURE」部門と「LEISURE DEVELOPMENT」部門の2部門において、最高賞の5つ星を受賞しました。
「ASIA PACIFIC PROPERTY AWARDS」は、イギリスのInternational Property Media社が主催しています。審査員パネルの議長は、英国議会の貴族院の一員であるベスト男爵とウェーバリー男爵が務め、90人以上の業界の専門家による独立した審査員によって審査されます。審査は、デザイン、品質、サービス、イノベーション、独創性、および持続可能性への取り組みに焦点を当てています。
本草湯(ほんぞうゆ)は、本草学(ほんぞうがく)を背景とした、VISONの中核を担う温浴施設である。江戸時代に改定された本朝七十二候(※1)にならい、洒落を込めてアレンジした「本草七十二候」に沿って、季節感のある薬湯が楽しめる。そうした地域の歴史や自然を楽しんでもらうため、設計では風景や物語の体験を重視した。
※1 七十二候(しちじゅうにこう)とは、古代中国で考案された季節を表す方式のひとつ。二十四節気をさらに約5日ずつの3つに分けた期間のこと。(中略)日本でも、江戸時代に入って渋川春海ら暦学者によって日本の気候風土に合うように改訂され、「本朝七十二候」が作成された。(Wikipediaより抜粋)
建物概要
「七十二候の間」という内省的な休憩所を中心におき、その周りに環境と交感できる「中間領域」を配した。内外を分ける建物の境界領域に人々が楽しむ姿を配置し、風景を構成しようと考えた。人のいる風景が建物に生命感を与え、環境と応答した場の雰囲気が作られる。例えば、山々の雄大な景色を望む「広縁」は、柔らかい表情で人々を迎える。「晴舞台」には、宙を舞うような爽快感を味わう人々の姿があるだろう。一方、風呂では自然とつながる繊細な入浴感覚を得るため、目隠し塀がなくせる施設配置を追求した。五感を研ぎ澄まし、身体と環境のつながりを楽しむこと。それが本草湯で目指す体験であり、VISON全体の風景基盤となっている。
アプローチ
外観
地鎮石
じちんせき
雨多気
うたき
中間領域
影向鏡
ようごうきょう
廊下まわり
七十二候の間
しちじゅうにこうのま