マルシェ ヴィソン

ヴィソンの地域連携を代表する商業施設

2021@三重県多気町

マルシェヴィソンは食を中心とした地域連携のプラットフォームである。一般的な産直市場に比べて飲食体験の比重が高く、地域食材の販売のみならず、シェフのプロデュースによる新しい魅力の発信や地元の高校等と連携したイベントの開催、さらにはアグリツーリズム拠点としての役割も視野に、地域イノベーションの場として活用されることを企図している。食と健康をテーマとし、三重に縁の深い本草学をコアコンセプトに据えるヴィソンにあって、マルシェヴィソンで扱う食材の物語性は広く三重県全域とつながる。山海にわたって想定しうる多様なアイディアをおおらかに覆い、様々な思いをひとつにまとめ方向づけるシンボルとして、天と地をつなぐ大屋根を架けた。

Photo : ToLoLo Studio このページ全て

大屋根

雨(アクア)と陽(イグニス)が天から地に注がれ、豊かな食材を育む。その流れの中にある人間の存在を大屋根で表現した。宇宙と交信するかのような大屋根は大地に沿った三次曲面で、雨に意識が向くよう、軒先の連続性や雨受けをデザインしている。また、大屋根を支えるフレームは伊勢神宮の外宮に鎮座する茜社の鳥居をモチーフにした。五穀豊穣・大漁満足・商売繁盛を祈念するといい、三重県の食材を扱う施設にふさわしい。

040 GGG09596-Edit ToLoLo Studio
067 GGG03775-Edit-Edit ToLoLo Studio
068 YYY09952-Edit ToLoLo Studio
042 YYY04450 ToLoLo Studio
031 YYY07650 ToLoLo Studio
041 RRR02530 ToLoLo Studio
001 DJI_0041 ToLoLo Studio
025 YYY07664-Edit ToLoLo Studio
021 YYY07518-Edit ToLoLo Studio
previous arrow
next arrow
Exit full screenEnter Full screen
 

風景の骨格

ヴィソンでは山の風景を作るため、できる限り高低差を活かした開発を目指した。マルシェヴィソンにおいても、立体的に立ち上がる風景の豊かさを獲得しようとしている。建物は長手方向で4棟に分かれるが、階段状のスラブをスロープでつなぎ、フレームのピッチを連続的に揃えることで、ひとつづきの空間として認識できることにこだわった。短手方向でも大地から大屋根へ連続する勾配が視線を空まで導き、伸びやかな流れを生む。

014 GGG09783 ToLoLo Studio
016 GGG09765 ToLoLo Studio
023 GGG09798-Edit ToLoLo Studio
002 DJI_0536 ToLoLo Studio
010 DJI_0535 ToLoLo Studio
IMG_1607-1
012 _BBB4809 ToLoLo Studio
previous arrow
next arrow
Exit full screenEnter Full screen
 

二つの時間層

商業は時代に応じて変化する宿命にあり、将来にわたってデザインをコントロールすることは難しい。そこで、風景と商業のタイムスパンを切り離そうと考えた。それらを大屋根とボリューム群の二つのレイヤーに分けることで、自然の時間と共にある「風景価値の醸成」と、常に新鮮さが求められる「商業の機動性」を両立させようとしている。商業は時代と共に変化するが、大屋根はそれを包み、時代を超えていくだろう。

050 YYY07428 ToLoLo Studio
071 YYY09975-Edit ToLoLo Studio
051 YYY07500 ToLoLo Studio
057 YYY07497 ToLoLo Studio
072 YYY00027 ToLoLo Studio
054 GGG09579 ToLoLo Studio
IMG_1613-1
previous arrow
next arrow
Exit full screenEnter Full screen
 

中間領域の建築

マルシェヴィソンは中間領域の建築だ。大屋根は室内外をつなぐ軒が大きくなって連続し、自立したものにも思える。これは三重の気候風土を旬の食材と合わせて楽しむためのアイディアであり、閉鎖型店舗やネット通販に慣れきって忘れがちな季節の身体感覚を大切にしたいと考えた。当然ながら、空調のエネルギー消費は最小限で、環境問題に対するシンプルな回答となっている。

047 RRR02491-Edit ToLoLo Studio
048 GGG09591 ToLoLo Studio
053 YYY07468-Edit ToLoLo Studio
IMG_1598-1
069 YYY09945-Edit ToLoLo Studio
015 GGG09905-Edit ToLoLo Studio
037 GGG09614-Edit ToLoLo Studio
032 001 YYY07656 Hiroshi Tanigawa-Edit ToLoLo Studio
008 DJI_0875 ToLoLo Studio
previous arrow
next arrow
Exit full screenEnter Full screen
 

シークエンス

この建物は名古屋方面から訪れた客が最初に出会う建物で、ヴィソンのプロローグとして自然と呼応する雄大な風景を構成するのがふさわしいと考えた。それ故、ヴィソンの中でも特に象徴性を重視した設計となっている。また、ヴィソン全体のマスタープランの観点からすると、この建物は駐車場と商業エリアを結ぶパサージュでもある。長い歩行空間をむしろ歩きたくなるよう、変化に富んだシークエンスで構成した。

027 YYY07638-Edit ToLoLo Studio
043 GGG09671 ToLoLo Studio
055 YYY07476 ToLoLo Studio
056 YYY07572 ToLoLo Studio
059 YYY07581 ToLoLo Studio
058 GGG09726 ToLoLo Studio
044 YYY04514-Edit ToLoLo Studio
026 RRR02551 ToLoLo Studio
previous arrow
next arrow
Exit full screenEnter Full screen
 

ゲニウス・ロキ

少なからず自然環境を改変してしまう巨大開発だからこそ、地霊(ゲニウス・ロキ)が感じられる場所にしたい。狭い意味での経済性を優先した箱モノではなく、地域の環境とつながり、世代を超えて豊かさが感じられる個性的な景観を目指すべきだ。そうした思いから自然環境が引き立つ在り様を追求してきた。中でもサインや照明など、ややもすると商業施設の常識が地域景観の理想と相反するような要素には注意を払った。

064-DJI_0974-ToLoLo-Studioのコピー-1
065-003-GGG03751-Edit-Hiroshi-Tanigawa-ToLoLo-Studio-1
042-YYY04450-ToLoLo-Studioのコピー-1
045-GGG09982-ToLoLo-Studioのコピー-1
046 GGG09988 ToLoLo Studio
IMG_1411-2
030-GGG09892-ToLoLo-Studio-1
018-GGG09786-ToLoLo-Studio-1
024-GGG09789-Edit-ToLoLo-Studio-1
previous arrow
next arrow
Exit full screenEnter Full screen
 

故郷の風景

建物の高速道路側は三重県産の木材を使用したルーバーで構成した。それによって車からでも認識できる光のドラマを魅せようと思った。特に日暮れ時、山並みが夕空に霞む時刻の安らぎを大切にしている。室内から漏れ出るような灯りが人の温もりを感じさせ、暮れなずむ山々と呼応する。次世代の人々が故郷の風景を守り育て、その価値を遠来の客人にも共有していただく。そんな好循環を期待している。

038 YYY07611 ToLoLo Studio
036 GGG09955-Edit ToLoLo Studio
009 DJI_0547 ToLoLo Studio
033 002 YYY07632 Hiroshi Tanigawa-Edit ToLoLo Studio
035 GGG09920-Edit ToLoLo Studio
028 GGG09874-Edit ToLoLo Studio
029 GGG09887-Edit ToLoLo Studio
017 YYY07630-Edit ToLoLo Studio
022 YYY07620-Edit ToLoLo Studio
previous arrow
next arrow
Exit full screenEnter Full screen