和ヴィソン
和食をテーマとしたヴィソンの商業エリア
2021@三重県多気町
和ヴィソンは蔵前・旨味・食祭と名付けた3つの広場が連なる、和食をテーマにした飲食物販エリアである。入店すると自然を感じなくなるモール形式ではなく、自然の中で買物や飲食できることが体験価値であると考え、戸建てが軒を連ねた商店街のような形式にこだわった。迷路的な楽しさがありながら現在地が把握しやすいシンプルな構成で、エリアが直感的に認識できるよう、各広場ごとの建築タイプに特色を持たせている。
蔵前広場
蔵前広場では発酵調味料をテーマに、酢、味醂、醤油、味噌の4棟と昆布、鰹節の2棟が道路に対して開いた広場を構成している。これは道路の反対側と一体で計画しており、山を背景としたヴューを意識した。グラフィカルな門型のデザインは蔵をモチーフとし、酢と味醂は実際にここで製造している。
旨味広場
旨味広場を構成する建物は中間領域を意識した構造で、軒と意匠筋交がエリアを特徴づける。ガラスと暖簾、そして意匠筋交が織りなすレイヤー構成によって内外領域を曖昧にし、屋内外が見え隠れする多層的な空間構成を目指した。
食祭広場
食祭広場は餅つきや盆踊りなど、イベントの開催を念頭に置いている。広場の顔となるダイニングホールは屋内外をつなぐのではなく、屋内に屋外を持ち込んだ公園のような空間になっている。